皮革の豆知識
- 地生(じなま)
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じなまは、日本国内で生産された牛の原皮の総称です。
和牛(ひとげ)や乳牛(ホルス)の皮が含まれます。
(じなまは国内産全般を指すのに対し、ひとげは和牛、ホルスは乳牛の原皮を指します。)
輸入原皮(洋原)と比べると国内産のため品質管理が行き届いており、
きめ細やかで品質が高いのが特徴です。
国産であるため、原皮に施された日本独自の検印やマーキングがある場合が多いです。
また、輸入原皮と比べて均一な質感や細かい傷の少なさが目立ちます。
地生はその安定性と高品質さから、一般的な皮革製品から高級品まで幅広い用途に使われます。
- 一毛(ひとげ)
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ひとげは、日本特有の和牛の原皮です。
【特徴】和牛特有のきめ細やかな質感や柔らかさが特徴で、
繊維の密度が高く、加工後に滑らかで美しい仕上がりになります。
和牛の飼育環境や遺伝的特徴が、この高い品質を支えています。
高級な革製品や、しなやかさが求められる財布、鞄、靴などに使用されることが多いです。
その高い品質から、一部のブランド製品にも採用されています。
原皮の繊維密度が高く、きめがとても細かいです。
一般的には光沢があり、自然な風合いが和牛特有の特徴として現れます。
- ホルス
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ホルスは乳牛から採れる原皮で、耐久性に優れています。
繊維の密度はひとげほど高くはありませんが、その分、厚みがあり頑丈です。
加工しやすく、コストパフォーマンスも良いことが特徴です。
日常使いの製品やカジュアルなアイテムに多く利用されます。
原皮がやや厚めで、強度があります。
また、繊維の密度が比較的粗く、ひとげに比べてやや硬い触感が特徴です。
実用性が高く、丈夫な革が求められる靴や鞄、ベルトなどに適しています。
じなま全体としても品質が高いですが、それぞれ個性を持っており、
ひとげは高級製品、ホルスは実用製品、じなまは幅広く活用されるという傾向があります。